共同募金って何?

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1.赤い羽根共同募金運動とは

赤い羽根共同募金って昔からよく聞くけれど、何のための募金なんだろう。そういった方も少なからずおられるのではないでしょうか。本コーナーでは、知っているようで知らない赤い羽根共同募金運動についてお話したいと思います(参照:厚生労働省HP中央共同募金会HP)。

2.赤い羽根共同募金の由来

昭和22年(1947年)に行われた第1回赤い羽根共同募金運動から早76年。赤い羽根共同募金運動は戦後の焦土と化した社会において傷痍軍人、復員軍人、引揚者、抑留者、戦災遺族、戦時産業失業者の方などの生活再建や地域福祉の増進などを目的に当初、民間から始まりました。

その契機は米国を外遊された故高松宮宣仁親王殿下が現地の募金運動をご覧になられその知見を持ち帰られたことが由来だとか。共同募金のシンボルである「赤い羽根」も故高松宮殿下のご発案ともいわれております(注1)。

3.根拠法令ー社会福祉法に基づく公的募金制度として

その後、社会福祉事業法に規定された法定の募金となり、旧厚生省所管の下、全国組織としての中央共同募金会、都道府県共同募金会が組織されました。現在は社会福祉法第112条に位置付けられ、毎年、10月1日から3月31日が赤い羽根共同募金運動の期間として位置づけられています。

ちなみに社会福祉法第113条には「共同募金会」を置く規定があり、組織上は全国組織としての中央共同募金会、都道府県ごとの共同募金会がそれぞれ設立されています。中央共同募金会と都道府県共同募金は互いに社会福祉法人として独立した関係にあり、法定の共同募金については都道府県共同募金が募金・寄附の受付から配分の事務まで行っています(中央共同募金会は都道府県共同募金会の連合会的存在です)。よく区市町村や社会福祉協議会にも共同募金協力会(共同募金委員会、共同募金会支会)が置かれ、地区ごとの募金が受け付けられていますが、都道府県共同募金会、行政、社会福祉協議会が連携して募集していることが一般的です。ちなみに社会福祉協議会(社協)も社会福祉法第109条から第111条に規定されている社会福祉法人です(参照:社会福祉法)。

4.赤い羽根共同募金の配分について

募金の配分についてはこれら共同募金会協力会等や共同募金配分推せん委員会から配分委員会に推薦された団体等に行われますが、配分委員会の委員については共同募金会の理事等は3分の1を超えない範囲で兼任でき、あとは市民参加を含む部外からの起用。配分要綱では、政治、宗教等の目的とする事業への配分を除外し、配分も一括交付ではなく、整備費や特別事業費などあらかじめ認められた団体の支出に対し、支給されています。2か年度にわたり、同じ科目での配分を受けることができないなど様々なルールや要件もあります(東京都共同募金会HP 配分申請要領配分要綱)。なお、都道府県共同募金会の配分状況は赤い羽根データベース はねっとで検索することができます(参照:はねっと)。

5.共同募金の配分先

共同募金の主な配分先は社会福祉協議会が6割と最も多く、福祉事業を営む法人等が残りを占めます。社会福祉協議会は福祉行政と連携し、地域福祉の中核を担う法人であり、配分を受ける福祉介護等の施設については人々の命と健康をつなぐ事業者の方々が中心。赤い羽根共同募金運動では「じぶんの街を良くするしくみ」というフレーズをよく聞くように、町会や社会福祉協議会を母体とする共同募金協力会等で集められた募金はその地域に還元されており、まさに助け合いの募金となっているかと思います。

6.赤い羽根福祉基金との違い

赤い羽根共同募金について、赤い羽根福祉基金と混同されることもなくはありませんが、運営法人も制度もそれぞれ別となっています。

6-1.法的な位置づけ・募集機関の相違

赤い羽根共同募金については上記のとおり社会福祉法に定めがあり、募金の受付や配分は都道府県共同募金会の事務となっています。ちなみに中央共同募金会は全国の共同募金会の連合会として共同募金の広報や運動方針の策定等にかかわっていますが、共同募金の収受・配分は担っていません。

一方、赤い羽根福祉基金は共同募金のような法の定めはなく、平成28年度に中央共同募金会が独自に開設された基金制度であり、寄附の収受・助成も中央共同募金会が直接行っています。

6-2.募金の配分(助成)対象

赤い羽根共同募金の「配分」対象は、民間の様々な地域福祉推進事業となっていますが、赤い羽根福祉基金の「助成」対象は赤い羽根共同募金の配分対象にならない福祉事業となっています。

6-3.募金方法の相違

赤い羽根共同募金は主に街頭募金、地域募金、家庭募金、職域募金から都道府県共同募金会に寄せられたものである一方、赤い羽根福祉基金の財源は企業や篤志家から中央共同募金会に直接寄せられた寄付金です。

わかっているようで知らなかった、というお声もよく聞かれますため、散文ではございますがご案内となればと思います。

7.歳末たすけあい募金等

その他、NHK歳末たすけあい、地域歳末たすけあいなど様々な募金種目の受付もありますが、それぞれ別個の制度です。混乱してしまうため割愛します。ただ、NHKと冠しますが、NHK歳末たすけあいは中央共同募金会・都道府県共同募金会それぞれの受付となっています。これら歳末たすけあい募金、地域歳末たすけあい募金も都道府県共同募金会の赤い羽根共同募金年度報告書で募金の結果報告が掲載されますが、赤い羽根共同募金の収入とは別に集計・掲載されています。ちなみにNHK海外たすけあいは日本赤十字社という別の認可法人の募集となります。

8.災害義援金について

都道府県共同募金会では、災害救助法の適用を受ける激甚災害の被災地に対する災害義援金の受付も行っております。災害義援金に関しては日本赤十字社、日本放送協会(NHK)、NHK厚生文化事業団、報道各社などでも寄附が受付られています。

義援金はこれらどの機関を通じても共通して国が設置する義援金配分割合決定委員会に集められ、都道府県の義援金配分委員会を通じ、被災地市町村そして被災者の方々に義援金の配分が行われることになっています。

一度に情報を吸収するにはややこしいお話もあったかもしれませんが、少しでもご参考になるものがあれば幸いに存じます。今後ともよろしくお願いいたします。

(注1) 高松宮宣仁親王妃喜久子著『菊と葵のものがたり』(中央公論新社、1998年) 参照。

東京都隊友救護赤十字奉仕団
本会は東京都隊友救護赤十字奉仕団を母体とした東京都共同募金会協力団体です。
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